VRChatのMMDモデル規約違反アバター流通事情
VRChatのユーザで日本からアクセスしてる割合は3%少々と思われるから、そもそもおそらくVRCの9割以上は海外ユーザーなのだよね。そして、VRCは基本的に誰かと会って使うゲームだから、遵法意識の比較的高い日本界隈でMMDの違反モデルを使い続けることは難しいのだよね。
あとVRChatでは意味を持たなくなっていく指標ではあるけど、ワールドワイドでは男性8割女性2割の比率の模様。年齢分布は18-24歳で42.8%、25-34歳で32.1%、4人に1人は35歳以上。VRChatのWebサイトへのアクセス数の3分の1は米国からで、日本からはわずか3.6%にとどまる。https://t.co/cNxg2J4uPl
— suna (@suna_vrc) August 21, 2019
そして、しばらくVRCに入ると自分でモデルを入れたくなる人が多くなるのだけど、大抵はVRChat対応のオリジナルモデルをBoothで購入する。これらはだいたいUnityだけで導入できて使い易くなってる一方で、MMDのモデルはツールやBlenderで変換しなければならないので、むしろ導入の障壁が高いのだよね。
だから、MMDの違反モデルを使うのは必然的に海外のユーザーが多くなるし、アップロード者もおそらくほぼ海外に見える。仮に日本で使う人がいたとしても、自由に借りられるアバターは規約違反のものが多いことを知らない初心者くらいで、日本のVRCで違反アバターが使われ続けることは少ないと思う。
あとVRChatだとモデルは個性を表現する上で重要だから、オリジナルのモデルやその改変が歓迎される土壌があって、二次創作モデルが選ばれる割合がそもそも少ない。BoothでVRChatキャラクターを探せばわかると思う。この点では版元の黙認に頼る界隈よりクリーンかもしれない。
そのVRC向けのモデルも規約違反のアップロードなどに困る例も出てきている。もちろん最も悪いのは違法アップロード者なのだけれど、それを許す構造の問題も大きい。言語とプラットフォームの壁、法の壁、規約の壁、があると思っている。
言語とプラットフォームについて。日本で購入して使える人気3DアバターのほとんどはBoothで出回っているのだけど、「3D avatar market」とか「3D avatar download」とかでググっても1ページ目には出てこないし、代わりに規約違反モデルが出回るサイトが出てきたりする。
またBoothのアクセス割合は7割が日本からで海外からは3割で、海外も中国韓国など漢字文化圏が主になる。仮に海外からBoothに辿り着いたとしても、商品説明は日本語だから、日本から非英語圏の海外ページを見る感じで買いづらいのはありそう。
規約の壁は、そもそも規約を読まない人がそれなりにいるという話。もともと規約は約束を明確にするためのものだから長文になりがちで、日本語でも読まない人はいるし、言語が違うならなおさら読まれづらい。 参考までにアンケートです。モデルを買うとき、規約を全部読んでます?
法の壁は国の壁とも関連するけど、出回る所を止めたければ運営に差し止めを求めるか法的な手段を取る必要があってハードルが高い。英語力と根気が必要になって大変そうだけどやった人もいて参考になる。 今後アバター文化が世界に広まるとこういったスキルの需要も増えそう。
jellyfish-qrage.hatenablog.com
ただ個別に戦うのは数でも不利だしイタチごっこになりやすいのだよね。ゲームプラットフォームのSteamが伸びたように、正規版にアクセスし易い環境が整えばわざわざ海賊版に手を伸ばす人は減るのだけれど、いまは正規版へのルートも海外からはハードルが高すぎて、そこにつけ入る輩がいるわけだ。
長期的には、海外各国からも探しやすく買いやすい3Dデータ流通プラットフォームが重要になりそう。規約についてはあるていど共通のフォーマットで、クリエイターの権利を守って、見る人も簡単にできることとできないことがわかる仕組みが必要そう。VRM関連のプラットフォームにはその面で期待してる。
いま制作者側でできることとしては、アバターサムネやアバターの中などにアバター名を入れてググりやすくして本家の配布元ページに辿り着く導線をつくるとか、わかりやすい規約や英語の規約をつけるとかになるかな。将来的にはアバターを宣伝した人にも利益がある仕組みができれば広がっていきそう。
アンケート回答下さった方、ありがとうございました。
規約の壁は、そもそも規約を読まない人がそれなりにいるという話。もともと規約は約束を明確にするためのものだから長文になりがちで、日本語でも読まない人はいるし、言語が違うならなおさら読まれづらい。
— suna (@suna_vrc) October 20, 2019
参考までにアンケートです。モデルを買うとき、規約を全部読んでます?
アンケートはクラスタや話題によって結果が偏りがちで、今回は長文ツイートを辿って回答下さった方が多いから、規約を読む人が多めに出たと思われるけど、全部読んでるのは6割程度に留まる結果でした。規約は大事ですね。
以下、追記。
MMDアバターだらけで著作権ガン無視の無法地帯と思われがちなVRChatのクリーンさが可視化されそう。主な回答者は日本語圏になると思うけど。だとしたらやはり海外での意図されない利用への対処が重要になりそうで、日本で自浄とか暗黙のルールって言っても効かなそうだよね…
というわけで早速調査です!
— SHOGO@VLEAP. CEO (@ShogoShimboVR) October 22, 2019
今回は皆様のアバターに関するご質問です。
話題にもなっているのと、将来的なVRSNSサービスにおけるアバターの取り扱いにも繋がるかと思い、お聞きします。
あなたのアバターは・・・#VRC調査
このアンケートの経過見て驚愕してるんだけど、1100人以上回答してて自作オリジナルアバターが4割近くも居るの!?クラスタの偏りはあったとしてもVRChatterクリエイティブすぎるでしょ…あと約95%がオリジナルアバターを選んでて、MMDなどの二次創作は5%程しかいないのね。1年でここまで変わるのか。