VRChat統計まとめ2020夏

今夏もSteamDBの統計データからVRChatユーザ数を観測してみる。まずはワールドワイドのVRChat最多同時接続数。
2018年は約6,000-8,000人、
2019年は8,000-9,000人だったが、
今年は12,000-16,000人程度と倍近くに増えている。
https://steamdb.info/app/438100/graphs/ image

2020/09/02 23:56

特に今年は3月から4月にかけて12,000人から16,000人まで増加して、そのまま今に至っている。3月は韓国やイタリアでのコロナ拡大が話題になっていた頃で、その影響もあると思われるが、Twitchの視聴者数(赤線)が大きく伸びる時期にユーザ数も伸びていることが目に付く。 image

2020/09/03 00:02

そもそもVRChatがソーシャルVRのトップに躍り出たのは、2017年にTwitch視聴者数が急伸したタイミングだった。2017年11月まで同接数は800人以下だったが、12-1月にかけて2万人もの同接数を記録した。これは偶然の一致ではなく、動画がソーシャルVRへの大きな入口となっていることを示唆するものである。

2020/09/03 00:03

Twitchの統計情報が見られるサイトで詳細が確認できる。Twitch視聴者ピークが急伸している時期にはフォロワーが数十~数百万の有名ストリーマーがVRChatをプレイしていて、同時視聴者2-4万を集めている。プレイ時間は大抵数時間だが、数万人がそれをじっくり眺める機会になる。https://sullygnome.com/game/VRChat image

2020/09/03 00:06

体験しなければなかなか想像ができないVRの世界のできごとを伝える手段として、動画が有効な媒体であることを示している。またゲームに関心を持つ人の多くはゲーマーだろうから、VRゲームの広告媒体としてゲームストリーマーやYouTuber・Vtuberのチャンネルは今後さらに重要性を増していくと思われる。

2020/09/03 00:09

ちなみにTwitchのVRChatストリームの日本語の割合は0.6%程度となっている。動画視聴者の規模は国によって違いがあると思われるけれど、VRChatの動画コンテンツの中では、日本語は超マイナーな部類であることは確かだろう。別にこれは悪いことではなく、日本ではまだまだ伸びしろがあるともいえる。 image

2020/09/03 00:13

逆の見方をすれば、VRソーシャルゲームは有名ゲームストリーマー達にもまだ開拓され終わっていない分野で、多くの視聴者達にも「目新しい」コンテンツであり続けているとも言える。新しい試みで視聴者を引き付けたいストリーマーやYouTuberやVtuberには、良いコンテンツとなっていくものと思われる。

2020/09/03 00:20

視聴者を集めたりVRゲームを広げたい立場の人ならば、動画映え・配信映えするコンテンツや技術を見つけたり作ったりして、それに似合う配信者と繋げていく試みは、有効なプロモーションとなり得るだろう。そういったことが好きな人や得意な人には、チャンスの多い時代が来ていると思う。

2020/09/03 00:25

話を戻そう。総プレイ時間の中央値は2018年が0.8h、2019年が1.2h、2020年が1.5h。平均値は同7.2h、9.2h、46.4h。中央値は伸びず平均値は大きく伸びている。つまり過半数のユーザは1時間少々で飽きるのは変わらないけれど、ハマった人が平均値を大きく引き上げていることになる。沼は深みを増している。 image

2020/09/03 00:29

直近2週間のプレイ時間中央値は去年14.1h、今年31.3h。平均値は去年11.9h、今年30.0h。直近の平均値も中央値も大きく伸びている。沼への道も整備されてきているようだ。

2020/09/03 00:35

SteamSpyのVRChatの所有者は約600万少々で、去年から大きく増えてはいない。直近2週間のプレイヤーは2%弱で、ログインユーザの割合は微減している。日本からのログイン割合は約5%(2%-10%)程度で、少なくはないけど米国の15-40%から見ればその他の地域の一つという印象。 https://steamspy.com/app/438100

2020/09/03 00:36

2週間のプレイ時間は、7時間以下と14時間以上でくっきり分かれている。ライトユーザーとヘビーユーザーの境界はそのあたりにあるのかもしれない。

2020/09/03 00:39

ちなみにSteam対応の他のVRソーシャルプラットフォームと比較しても、今の所VRChatの王位は揺らいでいない。ただしRecRoomはPSVR分は含んでいないし、Oculus Quest単体の分も含んでいないし、今後大きく普及していくモバイルVRも考慮すると状況はいくらでも変わり得る。 image

2020/09/03 00:46

SteamVR対応アプリの同時接続数ランキングでも、VRCはBeatSaberに次ぐ2位に付けている。有料アプリが並ぶ中で健闘しているのは確かだと思う。ちなみに同じく無料でプレイ可能なVRソーシャルアプリのRecRoomも14位にランクインしている。 image

2020/09/03 00:48

日本のユーザ率を5%とすると、日本のVRCのSteamユーザのデイリーピークは800人程度、デイリーアクティブは3,200-8,000人程度、月間アクティブは8,000-20,000人程度かな。増えたとはいえ、日本全体から見れば0.02%位しかやってない超マイナーな趣味であるとは言えるだろうね。
https://twitter.com/suna_vrc/status/1164254713035890689

2020/09/03 00:49

フレンドがみんなVR機材やゲーミングPCを持ってるのが当たり前のように思えるかもしれないけど、日本全体で見ればまだわずかな人しか手を出していない分野だと思えば、なかなか周囲に理解者が見つからないのも納得できるかもしれない。見方を変えれば黎明期の仲間を見つけられる貴重な場所だとも思う。

2020/09/03 00:50

ハードウェアも昨年とは様相が変わった。Rift Sは8.4%から21.79%に伸び、Indexは1.46%から14.45%に伸び、Oculus Questは10.13%を占めるまでになった。Viveは37%から23%になった。ただこれはPCで動くSteamVRの統計だから、単体のQuestやPSVRは含まれないことには注意が必要。
https://uploadvr.com/index-takes-over-rift/ image

2020/09/03 00:52

Steamユーザのヘッドセット所有率は、昨年の0.41%から1.93%になった。わずかではあるけれど、急速に伸びつつもあるわけだ。1年でVRハードのシェアが塗り替わる、戦国時代を目の当たりにしていることになる。特定のハードに縛られないプラットフォームや技術の価値は高まるけど、開発は大変になりそう。

2020/09/03 00:54

VRCにおけるQuestユーザ数も気になる所だけれどSteamほどには詳細な統計情報が公開されていないので推測は難しい。ただ人気のアプリ一覧でBeatSaber,YouTube,RecRoomに次ぐ4位にランクインしているようだ。12位のVirtualDesktopとSteamVRで入る人よりはずっと多くが単体でログインしていると思われる。 image

2020/09/03 00:56

SteamVRユーザーのデイリーピークも順調に伸び続けている。規模としてはVRCのピークに近い15,000人規模だろうか。もちろんこの全員がVRCをしているというわけではなくて、昨年はVRCのVR使用率は30%程だったので、おそらくこのうち3割ほどはVRCにもログインしていると思われる。https://vrlfg.net/charts image

2020/09/03 02:01

このサイトではSteamVRの同接数の推移も追える。VRCは出ないけど。トップかつVRオンリーのBeatSaberの24hピークが1,974人で、約2,000人とするとデイリーアクティブは8,000-20,000、マンスリーアクティブは20,000-50,000人程だろうか。非VRゲームよりは規模感は小さいと言える。https://vrlfg.net/Players image

2020/09/03 02:27

それでも直近のアクティブユーザーは購入者の数%と考えられるので売り上げ規模はそれなりに大きくなる。ただハード普及率は、スマートフォンで言えばiPhone3Gが出回った位のフェーズに相当すると思われるから、今後の伸びに期待したいと思う。

2020/09/03 02:43

VR市場の概況についてはよむネコの新清士氏の解説が参考になる。BeatSaberはアバターによるプレイ動画が注目を集めたことも成功の要因だと分析している。クリエイターを呼び込むことがゲーム成長の要因になり得るようだ。物理要素、コミュニティ要素も重要とのこと。
https://www.4gamer.net/games/421/G042111/20200609062/

2020/09/03 02:55