VRの広めかた

年末年始に実家に帰った際に、VRを知らない家族や友人にVRを知ってもらおうとしました。その際に気づいたことをまとめます。VRを知らない友人や職場や世間に伝えるときの参考になれば幸いです。

VRに対する一般的な反応と、対応方法

VRに対する一般の反応の覚え書き。
VRにそれほど興味がないし、HMDをかぶりたいとは思わない
②「VR<<(越えられない壁)<<現実」が常識
VRよりもARのメリットの方が受け入れやすい
立体視動画はすぐ飽きる
だから、VRの有用性を伝えるためには、下記が必要そう。
2018/1/5 2:55

①相手が関心を持っていて評価しているものに近いVRの利用例を持ってくる
VRが現実を越えることは難しいことは認めつつ、VRで現実に似た体験が手軽にできることを話す
③仮想世界の素晴らしさを語るのではなく、現実に便利さを足せることを話す
④インタラクションのあるコンテンツを体験してもらう
2018/1/5 2:57

VRへの無関心、HMDを付けることへの抵抗感

①「VRにそれほど興味がないし、HMDをかぶりたいとは思わない」件。
VRのメリットを伝える前に、そもそも知られてない。
頭に付けて画像を見るもの、程度に思われている。
えっちな動画を再生する道具だと思っている人もいる。
HMDを付ける姿は下手すれば洗脳用ヘッドギアを喜んで使う狂信者に見えている。
2018/1/5 3:00

HMDを使うと髪も乱れるし、視覚と聴覚という重要なセンサを奪う上に、付ける前は何が体験できるかよくわからなくて怖いわけだ。
体験してもらう側としては、コンテンツ内容についての事前知識や期待感が無い状態で試したがる人は居ないと考えて、相手に合わせた十分な導入説明をすることが重要になる。
2018/1/5 3:04

たとえば、相手が関心を持っていることや評価しているものに関連するVRの利用例を説明して、手持ちのVRコンテンツからそれに近い体験ができるものを選んで体験してもらうことが理想的だと思う。
2018/1/5 3:07

VR<<現実

②「VR<<(越えられない壁)<<現実」が常識、の件。
人は知っているものは高く評価して知らないものは低く評価する。
だから、VRについて知らない人は当然、仮想は現実の紛い物だと考えるし、そんな怪しい道具は早く頭から外して、素晴らしい現実世界と触れ合った方が絶対に良い、と言うわけだ。
2018/1/5 3:14

確かにVR開発者やVRChatterみたいにVRに浸かっている人ほど、VRならではの可能性を知っているけれど、それはVR未経験者に言葉だけで簡単に伝わるものではないし、現在のVR機材は現実を完璧に再現することができないのは確かに正しい。
2018/1/5 3:17

だから、バーチャルな世界を正面から言語化する困難に挑むのではなく、現実世界で得られる豊かな経験が、限定された形ではあるけれどもVRで手軽に速く安く簡単に、それなりに実用的なレベルで実現できる、と説明する方が、想像もしやすいし心理的にも受け入れやすい。
2018/1/5 3:21

VRよりもAR

③「VRよりもARのメリットの方が受け入れやすい」件。
VR<<現実の件とも関連するけど、仮想は現実より劣るイメージがあるので、「現実の価値は残したままで」3Dの物体が目の前に出てくるARの方がメリットを理解しやすい。
2018/1/5 3:23

VR/ARの違いは、現実に重畳するバーチャルレイヤの表示・非表示とか不透明度の設定値に過ぎないから、そこに根本的な差異は無い。
でも、遠くに居る友人や家族が自分の部屋に居るかのように談笑できるAR的な価値は伝わりやすいけれど、一緒に綺麗な世界を旅行するといったVR的な価値は伝わりづらい。
2018/1/5 3:33

だから、VRに親しんでいる人はVRの世界のある種のリアルさや美しさをよくわかっていると思うけれど、そのVR的な側面を伝えようとするよりは、遠く離れているはずの友人とすぐに目の前でお話できたり、ジェスチャで感情が伝わるといった、現実を補強できる面を言う方がメリットが理解されやすいと思う。
2018/1/5 3:36

立体視動画はすぐ飽きる

④「立体視動画はすぐ飽きる」件。
周囲を見回せる感覚や奥行きを体験して貰うため、Oculus Goで「Jurassic World: Blue」で恐竜が目の前に出てくるのを体験して貰ったり、Facebook360に上がっている全球の立体動画をいくつか見て貰ったりした。
でも見回すだけだと主体感に欠けるようですぐ飽きられる。
2018/1/5 3:45

VR未経験の人にはOculus Goのコントローラでもまだ複雑で、ボタンがどこにあってどの指で押してといった理解が必要な、インタラクティブなコンテンツを短時間で体験するのは大変ではある。
でも、動画を見るだけなら一過性の感動に終わってしまって「日常」にはならない。
2018/1/5 3:49

非日常から日常へ

もちろん、非日常に楽しめることにも意味はあって、イベントやアトラクションでVRに慣れていくことも入口としては重要になる。
けれど、日常にならないものは、長期的には人の生活を変えない。折角買ったHMDも飽きられて、がらくた箱の肥やしになるのが関の山になる。それはもったいない。
2018/1/5 4:10

Oculus創業者のパルマー・ラッキー氏も言うように、VR普及のためには「継続的な利用」が全てになる。つまり、毎日使いたくなるかどうか、すぐに飽きないものであるかどうか、家でも買って常用したくなるかどうか。そこに訴求できる体験ができるかどうかが鍵になる。
www.moguravr.com
2018/1/5 4:17

インタラクションで、傍観者から主人公になる

このために、VR内での主体感や可能性を感じられる「インタラクション」は必要になる。ただ受動的に動画を見るだけではなく、自分の行動が世界を変え、世界の応答が返ってくる感覚。そこから、人が積極的に行動する必然性が生まれる。
2018/1/5 4:27

試しに、注視点でパズルを解いて先に進むアドベンチャーゲームの「Land's End」をOculus Goでやって貰ったところ、単なる立体動画よりずっと可能性を感じるという感想を貰った。
ただ、自在に歩きまわれることはないので、よくできた立体パズルに過ぎないというコメントも貰った。
2018/1/5 4:30

ソーシャルVRの可能性

パズルでも、まだ飽きる。そこで、可能ならば「他者と会って話す」所まで体験してほしい。人は、社会的な生き物だから。
私も、VR機材を買った後しばらく放置してしてたのだけど、VRChatで友人ができてからVRの面白さを知った。こういった日常になり得る意味で、ソーシャルVRキラーアプリになり得る。
2018/1/5 4:47

試しに、Oculus Go対応のVRソーシャルでボードゲームもできる「Oculus Rooms」をやって貰った。
同じ部屋でテーブルをはさんで会話したりゲームしている感じがしたという感想だった。
相手の表情や目が見えなくて不気味というコメントもあった。
相手が居る感覚は伝わったらしい。
2018/1/5 4:56

このように、動画鑑賞だけでなく、VR世界や他者とのインタラクションの可能性を体感できるならば、体験の質を上げられるように思う。
他にも、VRの面白さを体験して貰いやすいアプリやコツなどがあれば、教えて頂けたら助かります。
2018/1/5 5:07

知見

いただいたコメントが参考になったので紹介します。

スマホ簡易VRVR機器、の流れで体験してもらう

Tnohito (@Tnohito1) さんの知見。
入口は大変で、そもそも興味ない人には敬遠される。360画像をスマホ単体で見せて、スマホ簡易VRで見せて、本格的なVRをやってもらう。段階的に慣れてもらう流れは有効そう。VRChatの「JAPANELAND SKY」ワールド等も使えそう。


Segmentation Fault (@Seg_Faul) さんの知見。
スマホ立体視動画→スマホでインタラクションアプリ、と段階を踏んでいく。
ただでさえわからないものは怖いのに、最初からいきなりホラーをやらせるのはたしかに無謀そう。

他の人が楽しんでいる姿を見て貰う

おきゅたんbot🏝VRすきま動画 (@OculusTan) さんの知見。
一般の方にやってもらうコツは、それを(一般の人が)楽しんでる姿を見てもらう。プレイ画面をディスプレイで表示して、周りから見ても楽しめるようにすると良さそう。

まずエンタメから入ってもらう

Tanya Belkut@2.5次元VTuber (@Belkut_FSS) さんの知見。
ゲーム性のあるBeatSaber等から入って貰って、コミュニケーションに誘導する。

伝えたい対象を分類して伝え方を工夫する

三日坊主😀✨vtuber (@mikkabouzu777) さんの知見。
興味を持っていない多数の人達に伝えるには、対象を細かく分けて伝えていく工夫が有効そう。