VRChat統計まとめ2019夏
VRChat利用状況統計
2018年8月に、VRChatの全世界の接続数が8000人程度で、平均プレイ時間が7.2時間なのに対して中央値が1時間未満で、初心者の離脱率が高いという記事を書いた。
およそ1年経ったので、最近のVRChatの状況を確認してみようと思う。
2019/8/22 4:05
2018年のVRChat概況。
・ワールド訪問回数累計:2億4000万回
・プレイ時間総計:3600万時間
・VR使用時間総計:1600万時間
・フレンド成立回数:1200万回
・アバター作成回数:400万回
・VRを使って入るユーザーの日々の割合:30%
・ユーザ数累計:400万人
ソースはVRC公式。
Thanks to our community for making 2018 #VRChat's best year yet! pic.twitter.com/8v6zU2dnKA
— VRChat (@VRChat) January 18, 2019
2019/8/22 4:08
SteamDBの最近の統計
・今週の同時接続プレイヤー数のピークは8749人。去年のデータも(DAUでなくて)ピークだったけれど8000人程度だったので、同接数はほとんど増えていない。
・総プレイ時間の中央値は0.8時間から1.2時間に増え、平均値は7.2時間から9.2時間に増えている。
https://steamdb.info/app/438100/graphs/
2019/8/22 4:09
Steamの統計情報を有償で提供しているSteamSpyによると、ゲーム所有者総数は約630万人で、そのうち直近2週間以内にVRCを使った人は18万人(約3%)程度。入れてるだけで起動しなくなったユーザが多いのだね。
https://steamspy.com/app/438100
2019/8/22 4:11
ここまでで言えるのは、Steamの統計だけでもVRChatの所有者数は去年から1.5倍以上には増えていて600万人を超えているけれど、2週間以内に使った人は18万人(3%程度)しかいない。あとゲーム名にVRが入っているけど、日々VRを使ってる人は世界的には3割程度に留まる。
2019/8/22 4:12
半数以上の人は1時間少々でVRCに飽きるのに、プレイ時間平均値は9時間以上になっていて、一部のヘビーユーザーが平均値を押し上げる構図は強化されている。沼は更に深さを増したようだ。見方を変えると、初心者の入りづらさはあまり改善していないとも言える。
2019/8/22 4:13
ソーシャルVRの覇者はVRC
それでも、ソーシャルVRゲームの中でもVRChatの人気は圧倒的で、他のVRソーシャルでは同接数は400に満たない程度なのにVRCは1万を超える日もあるようだ。ソースは、VR市場について調査している、New World Notesブログの記事。
同ブログにはデイリーアクティブはデイリーピークの4-10倍、月間アクティブはデイリーピークの10-25倍と推計している記事がある。デイリーアクティブはおよそ4-10万で、VRCの月間アクティブは10万-25万程度のオーダーと考えられて、SteamSpyの2週間の統計ともおよそ整合する。
VRChatの日本のユーザ数
あとVRChatでは意味を持たなくなっていく指標ではあるけど、ワールドワイドでは男性8割女性2割の比率の模様。年齢分布は18-24歳で42.8%、25-34歳で32.1%、4人に1人は35歳以上。VRChatのWebサイトへのアクセス数の3分の1は米国からで、日本からはわずか3.6%にとどまる。
英語サイトなので非英語圏からのアクセスが小さく見積もられることになるけど、各国のユーザ比率とおよそ比例すると仮定すると、日々VRCに入る日本のSteamユーザはデイリーピークで約360人、デイリーアクティブで1500-3600人、月間アクティブは3600-9000人程度のオーダーになりそう。
2019/8/22 4:17
ひと月に16時間使うならヘビーユーザー
創作とかに移行して普段VRCに入らなくなる人もいるしOculus勢もいるので潜在的なVRC関係者はもっといる気もするけど。あとハイエンドVRを持ってる人でも平均月6時間少々しか使ってないようだ。月16時間使うなら上位12%のアクティブユーザだそうだ。アクティブな皆さ~ん
www.moguravr.com
2019/8/22 4:20
ハイエンドVR普及前夜
IDCによると2018年の世界のVR/ARヘッドセットの出荷台数は420万台の予測だった。これはPSVRとかスマホVRやARなど、VRCがすぐに使えないものも含むので、世界に普及してて利用可能なVRC対応のヘッドセットはおそらく1千万台のオーダーだと思う。普及したとは言い難い台数だ。
japan.techrepublic.com
2019/8/22 4:21
逆に、使えるVRがあり普段使っているというだけで、世界人口で見れば0.2%しかいないVR保持者になるわけで、アーリーアダプターというかイノベーターレベルの希少種だという見方もできる。なかなか周囲の理解が得られくて悩むこともあるVRファンの皆さん、たぶん私達は未来を見過ぎているだけだと思う。
2019/8/22 4:22
VRAR市場は今後急伸する
あと、業界予測レポートでもVR/AR関連市場は大きく伸びる予測となっている。社会が低成長傾向で他国に比べてVR分野の伸びが弱く見積もられている日本でも5年で40%近くの伸びとなる。いまVRの世界にいるならば、これからの成長分野の先駆者となるともいえる。先駆したいね。
https://www.meti.go.jp/press/2019/04/20190426006/20190426006-3.pdf
2019/8/22 4:24
これ、年平均成長率が5年間は40%近くでありつづけるというのが正しいですね。10%で二重丸のところでこの率はすごい。5年で約5倍。いまはパイが少ないためでもあるけど、これから様々な分野にVRARが浸透していくのは間違いなさそう。
2019/8/22 9:29
VRChat覇権への道と動画の力
いくつか情報を補足しよう。VRChatは今でこそソーシャルVRの覇権を握っているけれど、昔からずっと強かったわけではなかった。というか2017年10月頃までは、日々の同接数は100程度で、他のソーシャルVRと大差なかった。ところが、2017年末にVRCの同接数が7000以上に急騰した。
いったい何が起きたのだろうか。原因は、その頃のVRChatの動画がYouTuberやTwitchストリーマーに配信され、その様子がバズったことにある。権利的に怪しいけれどキュートなアバターが跋扈する、自由だけどちょっとカオスな動画が、ゲーマー達の関心を惹いた。
www.polygon.com
2019/8/23 2:49
ちなみに日本ではこれより少し前にねこますさんの動画がバズって、きっかけは全く違うけれども奇跡的なタイミングで日本のVtuber市場が立ち上がり始め、VRChatも一部の好事家に認知が広がっていくことになる。
www.slideshare.net
2019/8/23 2:50
ここで言えるのは、体験しなければ伝わらないVRの世界を伝えるために、動画はかなり強力なツールであって、配信者や動画は重要な広告塔になり得るということだ。あと、少しのきっかけやタイミングの違いで、全く別の世界線の進行があり得たのは少しこわいけれど面白いなあと思う。新興分野だなあと。
2019/8/23 2:51
HMDの伸びとSteam利用統計
あと、VRヘッドセットのアクティブ数は指数関数的な伸びを見せていて、2019年末にはSteamに接続されたHMDの月間アクティブが150万に達する予測がある。
www.roadtovr.com
2019/8/23 2:52
SteamVRのハード統計では、SteamユーザのVRヘッドセット所持率は0.41%に過ぎない。ちなみにRiftSは急速にシェアを伸ばしつつある。グラボはNVIDIAが75%を占めていて強い。CPUはIntelが81%。
store.steampowered.com
2019/8/23 2:53
グローバル通信量は米中が2強。あと日本でもプロバイダごとにダウンロード速度にけっこう差があるのだね。次にプロバイダ選ぶときは参考にしよう。。